ずらりと並んだ「のし袋」・・・
「え~!いったいどれを選んだらいいの?」
と困った経験はありませんか?
結婚式や出産などのお祝いや、お葬式、法事などお悔やみの気持ちを表すために、お金を包む「御祝儀袋」「不祝儀袋」として使われる『金封』。「のし袋」という呼ばれ方もしますね。
日本には昔から金品を直に渡すことはせず、白い紙で包む「折方」と呼ばれる文化があります。
この折方を結ぶのが「水引」です。
水引は、目的に応じて結び方が異なります。
使い方を間違えると、大変失礼なことになってしまうことがあるため注意が必要です。
祝儀・不祝儀の意味を知ろう
ご祝儀と聞くと結婚式を思い浮かべる方も多いと思いますが、結婚式だけではありません。
ご祝儀は、慶事(喜ばしいお祝い事)に贈るお祝いの気持ちや、これらに関わる互助活動の手間に対する謝意を表すために贈る金品のことをさします。
代表的な慶事には、
誕生
七五三
入学・卒業
成人
就職
結婚
新築
還暦
などがあります。
一方、不祝儀は、葬儀・法事などの弔事のお見舞いや、それに関わる互助活動の手間に対する謝意を表すために贈る金品のことをさします。
病気見舞い
災害見舞い
葬儀
法事
年忌
などがこれにあたります。
祝儀・不祝儀のマナーの基本
渡すタイミングは「早め」が基本
祝儀・不祝儀を渡す時期は内容によってそれぞれ違いますが、何事においても「早め」が基本です。
「一般的なお祝い」は、知らせを受けたらできるだけ早く贈ることを心がけましょう。
入学や卒業、還暦祝いなど、事前に知っている場合は当日までに贈ります。
祝宴に招かれている場合は当日でもよいとされています。
ただし、出産祝いは無事に生まれたことに対するお祝いですので、出産日より早く贈るのはタブー。
このように意味をしっかりと理解した上で贈るタイミングを考える必要があります。
熨斗(のし)の意味を知ろう
お金でも品物でも、あらたまった贈り物であれば誠意を伝えるために制裁を整えることも大切です。
昔から伝わる祝儀・不祝儀の正式な体裁とは、奉書紙などの和紙をかけて水引で結び、「熨斗(のし)を添える」ものでした。
「のしを添えるってどういうこと?」
と疑問を思った方もいるのでは?

現在の代表的な熨斗
熨斗(のし)とは、正式には贈答品に添えるものの事をさします。
熨斗はもともと、鮑(あわび)を薄くして干した熨斗鮑(のしあわび)が由来となっています。
熨斗鮑は古来から縁起物とされ、長寿の象徴としてお祝いごとには欠かせない物とされてきました。
神仏や贈答品に添えられていた熨斗鮑はやがて簡略化され、近年は熨斗鮑に見立てた黄色い紙を紅白の紙で包んだ熨斗を贈り物の右上に貼るのが定着されてきました。
さらに現在、自由にデザインされた熨斗がたくさんあり、贈答品につける目印のような役割になっています。
祝儀の場合、水引の結び方とおなじように、熨斗の有無には注意が必要です。
水引の結び方の基本
水引の結び方は大きく2つに分けられます。
➀ 結び切り
結婚・弔事・全快祝いなど
結びきりはほどけないことから、二度三度と繰り返したくないという意味があります。
結びきりには「あわじ結び」「真結び」などがあります。
② 蝶結び(花結び)
出産・七五三・入学・成人・長寿・新築など
ほどいて結び直せることから、何度繰り返してもよいというお祝い事やお礼などに使います。
目的や金額に合ったものを選ぶためのポイント
のし袋には、様々な種類があります。
目的や金額に合ったのし袋を選びましょう。
特に注意するポイントは「水引の結び方」と「熨斗(のし)の有無」です。
「慶事」の場合
- 水引
結婚に使われる水引の結び方は、あわじ結びや真結びなどの「結びきり」です。
一方、出産・入学など、何度あってもよいお祝いは「蝶結び(花結び)」を使います。 - 熨斗(のし)
通常は熨斗(のし)付きですが、結納の金包など付けない場合もあります。 - その他の注意
結婚祝いでは、金額にあわせてご祝儀袋の大きさや水引飾りを合わせるのがマナーです。
弔事
- 水引
仏式では、葬式、法事ともに水引の結び方は結びきりです。
水引の色は白黒、または双銀です。 - 熨斗(のし)
熨斗(のし)は付けません。 - その他の注意
神式の葬式・法要も仏式に準じますが、絵柄がないものを選びましょう。
キリスト教では、十字架やゆりの模様が印刷された専用の袋が売られているほか、無地の白封筒でも代用できます。
お見舞い
袋の左側に赤い線が入っているだけ見舞い専用のものもあります。
できるだけ地味にするのが基本ですので、こちらがおすすめ。
のし袋を使う場合は、水引は紅白の結びきり、熨斗(のし)がないものを選びます。
目上の人でなければ、白い封筒でもかまいません。
災害見舞い
災害見舞いは白い封筒を使います。
郵送する場合
祝儀・不祝儀は本来、直接持参してこちらの気持ちを伝えることが望ましい姿です。
しかし、遠方であったり都合がつかず、どうしても伺うことができない場合もありますね。
この場合は郵送することができます。
郵送する場合は、目的に合った袋(のし袋など)にお金を入れ、表書きや氏名も忘れずに書いて現金書留封筒に入れて送ります。
このとき、挨拶の言葉を一言添えた手紙を同封すると、より丁寧に相手にも気持ちが伝わりますね。
親しい仲間に♪様々なデザインのし袋
現在は文房具店や専門店をのぞくと、様々な種類のし袋が並んでいますね。
上包みの色だけ見ても白のほかに、ピンク・水色・黄色・赤・紺・花柄など実にカラフルです。
水引も、松竹梅・鶴亀といった縁起物や、ハートや四つ葉のクローバーなどをモチーフをあしらった個性的なデザインも増えてきました。
豪華な結婚祝いのご祝儀袋だけでなく、出産や入学などのバリエーションも豊富です。
ごく親しい友人の結婚式や、孫の入学祝いなどでは、かしこまったのし袋よりも、こうした個性的なのし袋の方が喜ばれる場合もあります。
贈る相手や内容に応じて、上手に使ってみてくださいね。